病院のベッドで「帰りたい」とつぶやいたTさん。当時86歳の男性。末期がんで入院中の利用者さんでした。妻との2人暮らしでしたが、娘さんが協力を申し出られTさんを在宅復帰させるという強い希望がありました。主治医を交え検討した結果、少しでも体力のあるうちに退院を計画する事になりました。主治医から退院前に「在宅生活が困難だったら病院に帰っておいで」と言ってもらえたことが、ご家族にとっての「お守り」となりました。いざ、退院してみると「余命1ヶ月」と宣告されたはずのTさんは3ヵ月近く体調を維持する事ができました。病院では無口だったTさんですが「帰って来れてうれしい。家はいいなぁ」と笑顔を見せてくれ、そんなTさんの様子に「退院する事を選んでよかった」とご家族も安堵したようでした。その後、段階的に病状は悪化しましたがTさんの「家で死にたい」という思いと、ご家族の「病院で長く生きるより、短くても家で過ごさせたい」という意向を受け、そのまま在宅療養を続けました。そんなTさんの最期はとても静かで穏やかなものとなりました。以前から「急変しても慌てず騒がず主治医に連絡する」とお互いに言い聞かせていましたから、ご家族も介護スタッフも落ち着いてその時を迎えました。家族とヘルパーから「反応がなくなった。呼吸していない。」と連絡を受け、訪問看護師と一緒に訪問。生命徴候のないまま主治医の到着を待つことになりました。この時、主治医は手術中だったため自宅到着まで1時間はかかりそうだとのこと。そんな中、妻と娘の促しでコーヒーが振舞われ、Tさんの眠るベッドサイドでお茶会が始まりました。「お父さん、いい顔してるね。幸せ者だね。」と明るく妻が言い、娘が「最期まで頑固だったね。というか、ほとんど我が儘だったよね」と苦笑い。Tさんの思い出話は面白いことばかりで、すぐに笑い声でいっぱいのお茶会となりました。娘さんの提案で、たくさんのアルバムの中から遺影用の写真を選ぶお手伝いをさせてもらったり、お葬式用の着物を選んだりと貴重な体験をさせていただきました。主治医による死亡宣告を受けるまでの、ほんのひと時の「最期のお茶会」となりました。
こんな看取りの形もあるのだと深く心に残っています。今、振り返るとご本人もご家族も、そして私達介護スタッフも心の準備がきちんとできていたように思います。それは、一つ一つの場面で意思疎通を図る中で構築されていったように思います。「在宅での看取り」と肩肘張らず、死を一つの自然現象として受け入れる。簡単なようで難しい意識の転換です。ケアマネージャーとして利用者さん・ご家族・医療介護スタッフをつなぐ結び目の役割をしっかり担っていけたらいいなと思っています。
医療法人馨和会 いづはら医院
居宅介護支援事業所みちしるべ
岩井里砂
岩井さん、素晴らしいお話、ありがとうございました。感動しました。
それにしても、話は変わりますが、最近、岩井さん激やせでは?
先月の居宅委員会主催の勉強会時に久しぶりにお会いして驚きました!。
あまりの驚きにその時は、言葉が出ませんでしたが・・・。
体調など崩しませんようにお仕事に精進されますように・・・。
むかいクリニック居宅 おせっかいおばさん 行 勝代
行さん。
先日の研修はお疲れ様でした。ゆっくりお話できなくてすみません。
岩井は元気ですよ〜
*\(^o^)/*
8ヶ月前から食事制限と運動していま〜す♪
スリムな行さんに「激やせ」と心配されると、なんだか恥ずかしいですが、健康第一で頑張っています(*^^*)
コメントありがとうございました。